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高畑司法書士事務所の遺言書 −遺言とは−

人が亡くなると相続が開始します。相続とは被相続人の資産を所有する権利や負債の弁済をしなければならない義務(まとめて相続財産といいます。)を相続人が承継することです。そして相続人が1人であれば相続放棄をしない限りは当然すべての相続財産を相続します。相続人が複数の場合は法律で定められた相続分の割合によって相続します。もっとも普通はすべての相続財産について各相続人がその相続分の割合で共有することは不合理なことが多いため遺産分割協議を行い遺産分けをすることになります。そしてこの遺産分けの段階でよく争族とか争続と呼ばれる相続争いが起こります。遺産分割は当事者間の協議が整わなければ家庭裁判所で家事審判官(裁判官)や調停委員を交えた調停をすることになり、家庭裁判所の支援を得てもなお協議(調停)が成立しない場合は家庭裁判所が決定(審判)します。これが被相続人が遺言書を作らなかった場合の遺産分けの流れとなります。遺言書がある場合は基本的には遺言書において指示された方法によって遺産分けをすることになりますから、すべての相続財産について漏れなく行き先の指示がしてあれば相続人の間で相続争いが起きる余地はありません。法律用語でいう「遺言」とは相続財産の処分方法のほか遺言でできる一定の行為を遺言書に書き付けることであり一般的にいう「遺書」とは完全一致する概念ではありません。相続財産をどのように相続させたいかという積極的な意思表示です。「縁起でもないから」と遺言書の作成を避けるのではなく「縁起でもない相続争い」を未然に防ぐための措置として積極的な活用をお勧めします。

遺言書の種類

遺言の方式は大きく普通方式と特別方式に分けられます。特別方式による遺言は危急時遺言とか隔絶地遺言と呼ばれ死亡の危機が迫っている場合など普通方式によることができない場合にとられる方法ですが、ここでは説明を省略します。普通方式の遺言はさらに3つに分けられそれぞれ@自筆証書遺言A公正証書遺言B秘密証書遺言といいます。この3つの普通方式の遺言について以下に説明します。

1 自筆証書遺言

自筆証書遺言は法律で定められた様式さえ充たしていれば最も簡単な方式です。遺言書がその効力を生じたときは遺言者が亡くなったときですので、それが真正な遺言書かどうかを本人に確認することができません。それゆえ自筆証書遺言も含め遺言は一定の方式が求められる厳格な要式行為であるとされており、方式を充たさない遺言は無効とされます。自筆証書遺言の有効要件は次のとおりです。
1 全文・日付・氏名の自書
2 押印
まず、1の要件ですが、すべてに自書が求められていますので、ワープロを使うことはできません。そして、日付は必ず特定できなければなりませんので後でと思いうっかり空欄にしてしまったのはもちろん無効ですし、吉日などという特定不能な記載も無効です。氏名については特定可能であれば芸名等でも良いようですが、仮に他の相続人等利害関係人が特定しているかどうかを争った場合は裁判によって判断することになってしまうので本名を記載すべきでしょう。
さらに、加筆修正等をする場合にはそれにも方式がありますが、記述を変更することによって遺言の趣旨が不明瞭になることもあり全部書き直した方が無難でしょう。
それぞれの方式にメリット・デメリットがありますが自筆証書遺言や秘密証書遺言のデメリットで最たるものは発見者が捨ててしまうなどして滅失した場合はそれきりになってしまうことです。それゆえ保管方法に難しさがあります。この点公正証書遺言では必ず原本が公証役場に保管されるため保管方法や滅失の心配がありません。また、自筆証書遺言は家庭裁判所における検認手続を経なければ不動産の名義変更等様々な相続手続に使用できません。
メリットとしてはすべて自分で行えば費用が一切かからないことであり、いつでも破棄・書き替えをすることができることです。
また、方式の特質から身体障害等で筆記ができない場合にはこの方式を選択できませんので公正証書遺言の方式を選択することになります。。

2 公正証書遺言

公正証書遺言は頻繁な書き替えの可能性さえなければ最も優れた方法です。書き換えの可能性があってもその都度遺言公正証書作成手数料の負担さえできればやはり公正証書遺言が良いです。
作成方法は次のとおりです。
1 成年者である証人2人以上の立会いのもと、
2 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授する。
3 公証人は遺言者の口授を筆記し、遺言者と証人に読み聞かせ又は閲読させ、
4 遺言者と証人が署名押印する。
5 公証人は公正証書の方式に基づいて作成されたと付記し署名押印する。
作成日に1から5までのことを行いますが、実際には作成日に先立ち公証人と遺言の内容について打合せをして遺言書の原稿を作成します。
公正証書遺言のメリットは公証人が作成しているため要件を充たさず無効になる心配がないこと、滅失の心配がないこと、家庭裁判所での検認手続が不要であることが挙げられます。また、遺言者は遺言の趣旨を口授すれば良いため署名も含め筆記に支障がある場合にも選択可能です。
公正証書遺言のデメリットは遺言の内容が公証人や証人に知られてしまうこと、手間や費用がかかるため自筆証書遺言ほど書き換えがしやすくないことです。

3 秘密証書遺言

秘密証書遺言は自筆証書遺言と公正証書遺言のデメリットを補う方式ですが普通は公正証書遺言で問題がなく秘密証書遺言のデメリットもあるため利用例は多くありません。
秘密証書遺言の作成方法はつぎのとおりです。
1 遺言者が遺言書に署名押印し、
2 遺言者が遺言書を封じ、遺言証書に押印したのと同じ印鑑で封印する。
3 遺言者が公証人及び2人以上の承認の前に封書を提出して、
4 @自己の遺言書である旨A筆者の住所氏名を申述する。
5 公証人が@遺言書を提出した日付A遺言者の申述を封紙に記載した後、
6 遺言者及び証人とともにこれに署名押印する。
相続が開始した場合に自筆証書遺言では遺言書がそもそも存在するかどうかがはっきりしないためどこまで探せば良いかきりがありません。秘密証書遺言は公証役場に秘密証書遺言の手続の記録が残りますので探せば少なくとも1通は遺言書が出てくる可能性があります。また、自筆証書遺言ではそれが本当に本人の自筆によるものなのかどうかに疑いが残りますが秘密証書遺言ではその疑いがなくなります。公正証書遺言では公証人及び証人に遺言の内容が知られてしまいますが秘密証書遺言であれば他人に開封さえされなければ誰にも内容が知られることはありません。なお、公正証書遺言と異なり原本が公証役場に保管されることはなく家庭裁判所の検認手続が必要ですので、公証人及び証人のわずか3人にさえ内容を知られたくないというような場合でない限りは費用がかかるという点では同じ公正証書遺言を利用することが多くなります。

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